鍔競り合いは最大で一呼吸(目安として約3秒)の間に技を出すか、解消することがルールとなっている。
一番多発しやすい反則なので、よく理解する必要がある。
2025.04.15 update
3秒ルール
鍔競り合いに関して、以下のいわゆる「3秒ルール」とも言われるルールがある。
鍔競り合いになった場合、試合者は正しい鍔競り合いの攻防から積極的に技を出すか、
積極的に解消するように努めなければならない。この解消に至る時間は「一呼吸(目安としておよそ3秒)」とする。
正しくない鍔競り合い(不当な鍔競り)や、時間稼ぎのために鍔競りに持ち込むような行為(時間空費)は反則となる。
鍔競りあいが3秒以上継続しても「わかれ」を適用することは原則としてない。
鍔競りが3秒以上続いてしまった原因を作っている側の選手を反則とする。
鍔競り合いの開始は「正しい鍔競り合いの形」となった時点の他、近間での攻防が尽き、相互に接近した状態となった時点とされ、
そこから3秒のカウントが始まる。3秒間は主審が判断する。
逆を言うと、攻防の中での中間や近間の状態、打突後にお互いの体が接近しても縁が切れていない鍔競り直前の状態では、
このルールは適用されない。見極めが大事である。
鍔競りにならない中途半端な状態を意図的に継続しているとみなされる場合は、「時間空費」や「公正を害する行為」の反則となる。
鍔競り合いの解消
鍔競り合いは、引き技を出した場合、あるいはお互いに間合を切った場合に、解消とみなされる。
間合を切るとは、双方の剣先が触れない位置まで間合が明確に離れた状態のことである。
間合を切る際に、切れていない状態(分かれる途中の近間・中間)で打突を出したり間合を詰めたりした場合、
あるいは相手側だけに下がらせて自分は下がらない行為は、「公正を害する行為」の反則となる。
また間合が切れる前に剣先を下げたり開いたりして、状況を曖昧にさせると反則とみなされる場合がある。
上段の選手が間合が切れる前に振りかぶってしまう場合も同様である。
引き技を出した場合は、双方の剣先が離れた位置に至らなくても、技を出した時点で解消とみなされる。
離れ際の注意
「鍔競り合いの状態からまさに分かれようとする瞬間」に出した技は有効とみなされる。
したがって分かれようとする場合は「一方的にではなく、お互いに息を合わせ」、「目を合わせ、気を合わせ」、
「決して気を緩めることなく」分かれることが大事である。
近年はこの「分かれようとする瞬間」の幅がグレーゾーンとして広がる傾向にある。
勝負に厳しい高校は相手のわずかな隙を見逃さないので、よくよく気を抜かないことである。
解説動画
以下の動画は、本ルールが適用されるきっかけとなった新型コロナウィルス感染症を拡散させないための暫定的なルールについての
解説であるが、このまま現在の正式なルールとなっている。
(ただし2番目の動画の最初にある「審判員の所作」に関しては、現状では解除されている。5:00 以降を見れば良い。)