剣道には段が設けられており、試合とは別に大きな目標となる。
高校生で受けることのできる段位は三段までであり、基本が備わっているかを審査される。
2016.11.13
段位と級位
剣道の段位は「剣道の技術的力量」に応じて、審査を通じて授与されるものである。
級位は段位の前段階に位置づけされ、一級の次が初段となる。
段位は初段から八段まであり、八段審査の合格率は1%以下という難関である。
初段から順に取得しなければならず、特別な場合を除いて飛び級はない。
さらに初段を受審するためには一級をもっていなければならない。
級位は一級が定められているが、二級以下は各剣道連盟での扱いが自由にされている。
高体連では二級以下の審査はおこなっておらず、最初から一級を受審することになる。
剣道には、他に「称号」という資格がある。
六段以上になってある一定の条件を満たすと、錬士・教士・範士に挑戦できる。
剣道では段位・称号を通じて、範士が最高位と位置づけられている。
詳しくは
こちら を参照のこと。
受審資格
各段位を受審するには、その前段階の段位を取得してから、
一定の年数を経過していなければならない。
そのため、高校生では最高でも三段までしか取得することができない。
高校から初心者で始めた場合は、二段までとなる。
段級位 | 受審資格 |
一級 | 小学校6年生以上の者 |
初段 | 一級に合格している13歳以上の者 |
二段 | 初段に合格してから1年以上経過した者 |
三段 | 二段に合格してから2年以上経過した者 |
審査方法
各段級位の審査は、以下の通りおこなわれる。
段級位 | 審査方法 |
一級 | 立会と木刀による剣道基本技稽古法 |
初段 | 立会と日本剣道形(1~3本目)と学科試験 |
二段 | 立会と日本剣道形(1~5本目)と学科試験 |
三段 | 立会と日本剣道形(1~7本目)と学科試験 |
立会とは、受審者どうしでの打ち合いであり、
審査では打ち合いを通じて剣道の基本が身についているかを見ている。
受審者はお互いに有効打突を狙いあうが、試合ではないので、基本に忠実で素直な打突を出すことになる。
審査は勝敗や優劣を評価している訳ではなく、
それぞれの段位にふさわしい技倆を有するかを判定している。
全員が「ふさわしい」と判定されれば、全員が合格できる。
審査ではやっていることは同じでも、段位が上がるにつれて技術の習熟度(錬度)や気迫の強さ、
打突を出す前の攻めの内容などが見られるようになる。
三段までの着眼点は、以下の4つである。
- 正しい着装と礼法
- 適正な姿勢
- 基本に則した打突
- 充実した気勢
基本に忠実な稽古を真面目に取り組み、それを審査会で発揮できれば、
三段までは問題なく合格できるはずである。
学科試験では、剣道に関する問いが3問出され、記述式で回答する。
剣道の用語や剣道形の説明、剣道に関しての考えなどが出題されている。
設問はあらかじめ示されているので、審査当日までに所定の解答用紙に記入しておく。
解答用紙は、当日の指示にしたがって提出する。
合格発表
立会の審査が終わると、立会の合否発表がおこなわれる。
立会に合格した者だけが、剣道形(木刀による剣道基本技稽古法)の審査に進むことができる。
剣道形の審査に合格し、別途採点されていた学科試験にも合格していれば、受審した段位に合格となる。
合否は当日、その場で発表される。
合格者には、後日に合格証書(賞状)が発行される。
初段以上は証書の左下に「全剣連番号」が印字されている。
この番号は次の段位を受審する際に必要となるので、証書は大切に保管しておいた方が良い。